どんな制度?
従来型の110万円非課税枠と違い、大型贈与(原則 1人宛 2,500万円まで)でも、贈与税が要らない代わりに、相続申告の際にその贈与分を遺産と合算して相続税で精算するいわば、“先渡し後払い” の制度です。
上記の枠は何回に分けて使ってもよいのですが、同じ人に生涯で上記の枠を超える贈与をした場合は、超えた部分の20%相当の贈与税を“仮払い”しておいて相続時に精算します。(金額に関わらず贈与申告は必須)
要 件
贈与年の1月1日時点で満60歳以上の祖父母や父母から、20歳(令和2年4月1日~は18歳)以上の子や孫、養子への贈与に限ります。
こんな贈与は、得する?損する?
得する贈与・・・「もうけ」や「値上り益」は子どもへ
賃貸建物を贈与
⇒贈与後は賃貸収入を子・養子孫に移せます。所得分散や納税資金準備に。
少し古めのシャッターガレージ・貸倉庫・貸事務所・貸店舗・貸住宅などに最適。
(実施には注意点とコツが)
評価が上がりそうな土地の贈与
⇒評価方法の変更地、新駅や大型商業施設予定の周辺地、市街化区域編入予定地など
収用予定地や区画整理予定地について実施前に贈与
自社株等の贈与(納税猶予の条件を満たせば、2018~10年間に限り、子・孫・養子以外でも適用可)
⇒類似業種比準価額は要素が強い会社は、同業の上場会社の株価が安い期間に贈与。
上場株の贈与
⇒新型コロナなどで一時的に値下りしているが、将来は値が戻りそうなものを安いうちに贈与。
お金を贈与
⇒値上りが期待できる投資信託や株の購入源資を子に贈与して子が購入。
,etc.
損する贈与 ・・・ 人口減少地域の土地など将来に評価が下りそうな財産の贈与
,etc.
こんな使い方もある
父からは精算課税贈与、母からは110万円贈与という使い分けも可
将来争続の原因になりそうな財産(不動産や自社株等)はこの制度で先に移転
【注意点】
一度選択すると同人物から同人物への贈与は全て「精算課税贈与」扱いとなり、110万円の非課税枠は使えなくなります。
【重要】
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・令和6年(2024年)以降は、精算課税制度を選択しても年間110万円の基礎控除枠が利用できるため、過去の精算課税制度のデメリット(110万円非課税枠が使えなくなる点)は解消されています。
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・一方で、従来の暦年贈与については、生前贈与加算期間が3年から7年に延長される改正が行われています(令和6年以降段階的に適用)。このため、精算課税制度を選択するメリットが、相対的に高まったと言えます。