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【相続対策】小規模宅地等の課税価格の計算の特例(貸付事業用等宅地等)

貸付事業用宅地等の小規模宅地の特例とは

被相続人又は被相続人と生計を一にする親族の貸付事業の用に供されていた宅地等で、申告期限まで引き続き所有し、貸付事業の用に供している宅地等については、200㎡以下の部分についてその宅地の評価額が50%減額されます。

適用にあたっては、他に特定事業用宅地等(80%)や特定居住用宅地等(80%)がある場合には限度面積の調整計算と有利判定が必要となります。

駐車場用地に対する特例適用の可否

建物又は構築物の敷地であることが要件となるため、最低でも構築物がないと適用を受けられません。青空駐車場や砂利を敷きつけた程度の駐車場では構築物とはならず、フェンスやアスファルト敷きになっていることが必要です。

賃貸建物の一部が空室になっている場合

貸付事業に係る建物のうちに相続開始の時において、一時的に賃貸されていなかったと認められる部分がある場合であっても、その部分は貸付事業用宅地等として取り扱うこととされています。

したがって、一時的な空室であれば宅地等の全体が貸付事業用宅地等となります。なお一時的な空室であったかどうかは、相続開始時において賃貸人を募集しているなどの事実があれば、一時的な空室と判断してよいでしょう。

共同相続人間で分割されていない場合

小規模宅地等の特例は、相続税の申告期限までに共同相続人間で分割されていない宅地等には適用されませんが、相続税の申告書に「申告期限後3年以内の見込分割書」を添付して提出し、相続税の申告期限から3年以内に分割された場合には、更正の請求をすることにより特例の適用を受けることができます。

この場合、分割のあったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に更正の請求を行います。

(参考文献)
・大西隆司ほか相続対策実務研究会編集『法務・税務から見た相続対策の効果とリスク 』
836頁以下(新日本法規、2015年)

この記事の執筆者
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川﨑啓税理士事務所 代表 川﨑 啓
保有資格 税理士・行政書士・認定支援機関
専門分野 相続
経歴 大学卒業後、都内の大手税理士法人にて、相続・資産税部門の責任者として数多くの現場を経験。これまでに携わった相続税申告や生前対策は数百件以上にのぼる。
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