相続財産がわからない
被相続人が財産をどのように管理、運用、消費していたかについて全てを相続人が把握していることは稀でしょう。長い間離れて暮らしていたり、体は元気でも被相続人が認知症にかかっていたりすると、通帳や実印も見つからないということは少なくありません。
被相続人の財産が、相続が発生した途端になくなることはありませんので少し時間をかけて探せば、見つかるはずです。時間と労力がかかりますので、税理士などの相続のプロに依頼するのも一つの方法です。
不動産の保有状況を確認
不動産の所在がおおむね分かっている場合には、管轄する法務局で登記簿謄本を取得すれば、詳細が判明します。また、毎年5月上旬に送付される固定資産税の納税通知書を確認すれば、自宅以外の不動産の保有状況も確認できます。
預貯金や有価証券の保有状況を確認
通帳が見つからなくでも、被相続人の手帳、名刺、郵便物から取引のある可能性がある金融機関の候補を大まかに掴みます。自宅近辺の金融機関やかつての勤務地周辺の金融機関に、残高証明書の発行を請求してみましょう。
残高証明書の発行を受けたら、取引履歴証明書の発行を依頼します。相続税の申告では相続開始前6年間の取引履歴を確認します。取引履歴を確認していくと保険料の引き落としや配当の振り込みが確認できますので、加入していた生命保険や保有していた有価証券などについても判明するでしょう。
相続債務の確認
被相続人が金融機関に債務を負っている場合には、金銭消費貸借契約書等で契約日、借入金、返済期限などを確認し、相続開始日時点の債務額を正確に把握する必要があります。
また、債務額については、金融機関に対して借入金残高証明書を発行してもらい、相続税の申告書に債務控除の適用を受ける
場合の添付資料として必要となります。
被相続人が営んでいた事業を廃業する場合にも、取引業者や金融機関に対して廃業通知書を提出するなどして残高を問い合わせます。