被相続人となる者が亡くなったとき
被相続人となる者が亡くなったときに、まず行う手続きは「死亡の届出」と「死体火埋葬の許可」を得ることです。
死亡の届出
被相続人となる者が亡くなったときは、届出義務者が、死亡の事実を知った日から7日以内に、死亡者の本籍地または届出人の所在地もしくは死亡地の市区町村に死亡届を提出しなければなりません。死亡届には、所定の事項を記載し死亡診断書または死体検案書を添付しなければなりません。
届出者は、
①同居の親族
②その他の同居者
③家主、地主または家屋もしくは土地の管理人となります。
なお、同居の親族以外の親族等も届け出ることができます。
死体火埋葬の許可
死亡者を埋葬するためには、死体火埋葬について死亡届けを受理した市町村長の許可を受けなければなりません。
在日外国人が亡くなった場合
在日外国人が亡くなった場合、まずどこの国の法律を適用して解決すべきか準拠法を定める必要があります。日本で亡くなったからといって、当然に日本の民法を適用して解決することにはなりません。
日本で国際相続を解決するには「法の適用に関する通則法」と「遺言の方式の準拠法に関する法律」
を適用して問題となる法律関係に適用すべき準拠法を決めていくことになります。
通則法36条は、「相続は、被相続人の本国法による」と規定して、相続については本国主義を採用しています。本国法とは、国籍のある国の法律のことをいいます。したがって、在日外国人である被相続人が亡くなった場合、被相続人の住所地、相続財産の所在地がどこにあるかにかかわらず、原則として、被相続人の本国法が適用されることになります。
(参考文献)
・酒井ひとみ=東京クロスボーダーズ『国際相続の法務と税務』27頁以下
(税務研究会出版局、2014年)
この記事の執筆者
川﨑啓税理士事務所
代表
川﨑 啓
保有資格
税理士・行政書士・認定支援機関
専門分野
相続
経歴
大学卒業後、都内の大手税理士法人にて、相続・資産税部門の責任者として数多くの現場を経験。これまでに携わった相続税申告や生前対策は数百件以上にのぼる。