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【相続対策】不動産を生前贈与する対策 その4

相続時精算課税制度を活用した不動産の贈与

相続時精算課税制度による贈与は贈与財産を贈与時の評価額で相続財産に加算するものですから、建物のように将来評価額が減少していくような財産に適用することは本来、相続税の節税効果はない、もしくは逆効果とも考えられます。

しかし、収益性の高い賃貸物件を贈与するような場合には、その財産から得られる果実を相続人において蓄積できることから結果的に相続財産の増加の抑制、相続税納税資金の確保という点において効果的な対策となり得る場合があります。

相続時精算課税制度の注意点

相続時精算課税制度は、一度選択するとその贈与者から翌年以降に贈与を受ける場合には、必ずその適用が義務付けられます。

つまりその贈与者からは翌年以降110万円の基礎控除の範囲の贈与を利用できなくなります。

贈与税の配偶者控除の特例の活用

婚姻の届出のあった日から贈与の日までの期間が20年以上である配偶者に居住用建物やその敷地を贈与した場合には、その評価額の2000万円まで非課税とされます。暦年贈与の110万円を加算して2110万円までは贈与税がかかりません。

住宅取得等資金の贈与でも同じように適用がありますが、不動産の方が評価が低いので、現金の贈与よりも効果的があります。

また、暦年贈与には相続開始前3年以内の贈与財産は相続税の課税価格に加算されますが、贈与税の配偶者控除の特例は、たとえ、贈与をした年中に相続が発生しても生前贈与加算の対象からは除外されます。

贈与税の配偶者控除の特例の注意点

注意点としては以下の3点があります。

1 330㎡まで80%減額の特定居住用宅地等の小規模宅地等の特例の適用ができなくなる。

2 登録免許税や不動産取得税などの諸費用が相当額かかる。

3 一筆の土地が自宅用地と青空駐車場用地や倉庫用地などに利用されていると自宅用地のみを贈与するために分筆する必要がある。分筆費用の負担も検討に入れる必要があります。

(参考文献)
・坪田晶子ほか「不動産を生前贈与する対策」税理57巻13号46頁以下
(2014年)
・大西隆司ほか相続対策実務研究会編集『法務・税務から見た相続対策の効
果とリスク 』224頁以下(新日本法規、2015年)

この記事の執筆者
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川﨑啓税理士事務所 代表 川﨑 啓
保有資格 税理士・行政書士・認定支援機関
専門分野 相続
経歴 大学卒業後、都内の大手税理士法人にて、相続・資産税部門の責任者として数多くの現場を経験。これまでに携わった相続税申告や生前対策は数百件以上にのぼる。
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