【相続対策】生命保険を活用した相続対策 その6

一時所得を利用した生命保険による対策

前回まで、生命保険を活用した主な相続対策をご紹介しましたが、その他の生命保険を活用した対策を紹介します。

今回は一時所得を利用した生命保険金の活用です。

保険金の課税関係

死亡保険金の受取りに関する課税関係については保険料負担者、被保険者、保険金受取人が誰であるかにより、課税される税金の種類が異なります。被保険者の甲さんが死亡した場合の課税関係は下表の通りとなります。

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被保険者=被相続人甲である場合において相続税の課税関係が発生するのは被相続人甲が保険料を負担している場合となります。

保険料負担者と保険金受取人が同一人の場合には所得税が課税されます。この場合の死亡保険金は、受取りの方法により一時所得又は雑所得となります。

死亡保険金を一時金で受領した場合には一時所得となり、年金で受領した場合には公的年金以外の雑所得になります。

保険料負担者、被保険者、保険金の受取人がすべて異なる場合には贈与税が課税されます。

一時所得となる生命保険金

被保険者を被相続人、保険契約者・保険金受取人を同一の相続人とする生命保険契約の保険金については一時所得に該当し、これ以外に一時所得がないとすれば受け取った保険金については、下記の算式により計算した金額に対して所得税が課税されます。

課税の対象となる金額=一時所得の金額(※)×1/2

(※)一時所得の金額=死亡保険金ー(支払保険料総額ー剰余金)ー50万円

効果

一時所得となる生命保険契約の保険料について、被相続人から保険料相当額の贈与を生前に受けることにより、暦年贈与の110万円の非課税枠を利用することができ、また被相続人の財産を減らすことができるため相続税の軽減にも繋がります。

保険料として毎年贈与を繰り返すことで計画性もあり、また現金贈与とは異なり後に贈与自体を否認されたり、連年贈与とみなされたりすることを妨げますので安定して財産を移転することができることがポイントです。

また、一時所得については50万円の特別控除額と2分の1を乗じることによる課税対象の圧縮により実際に課税の対象となる金額が抑えられるため相続税率と所得税率とを考えた際には、一時所得で受け取る手法を用いることで贈与税・相続税・所得税の全ての軽減を図ることも可能となります。

ただし、所得税は所得が多いほど税率が上がるため、生命保険を一時所得として受け取ることが有利になるかどうかは慎重に検討しなければなりません。

なお、保険料負担者が幼児の場合には、幼児名義の預金は贈与者でない親権者が管理処分するようにしましょう。

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